上図は俗に言う「ワニの口」ですが、何を目的に作成されたものかご存知ですか?
財務省の資料(財政関係パンフレット・教材)には、このように説明されています。
●これまで、歳出は一貫して伸び続ける一方、税収はバブル経済が崩壊した1990年度を境に伸び悩み、その差はワニの口のように開いてしまいました。また、その差は借金である公債の発行で穴埋めされてきました。足もとでは、新型コロナウイルス感染症への対応のため、歳出が拡大しています。
出典:【財務省公式サイト】 これからの日本のために財政を考える
しかし、不思議なことに令和5年10月版(最新)ではワニが居なくなりました。💦
●これまで、歳出は一貫して伸び続ける一方、税収はバブル経済が崩壊した1990年度を境に伸び悩み、その差は大きく開いてしまいました。また、その差は借金である公債の発行で穴埋めされてきました。足もとでは、新型コロナウイルス感染症等への対応のため、歳出が拡大しています。
出典:【財務省公式サイト】 これからの日本のために財政を考える
アンチからのツッコミどころは、なるべく消し去りたかったということなんでしょうか。💦
本記事を読むことで「ワニの口」は存在しておらず、デタラメだったということがわかります。💦
なお、本記事は『森永康平のビズアップチャンネル』ガラパゴス化する日本の財政! 日本に「財政のワニ」などいなかった?(会田卓司×森永康平)から引用・記事にしたものです。
財政だけは日本独自
巨大メディアを筆頭に「日本の財政は年々悪化しており借金は増え続けている」と言い続けています。
だから、国債はなるべく発行せず、プライマリーバランスを健全化する必要がある、と。
それ、本当なの?
どうやら、「財政が悪化しているという大嘘」は最近バレ始めてきたようです。
その嘘が「ワニの口」に秘められていた!というのが今回の記事内容です。
国債の60年償還ルール
最初の嘘(トリック)は、国債の60年償還ルールです。
国債の60年償還ルールとは? 60年間で国債を現金償還する。つまり完全に返済するというルールです。
実は、このルールを持っているのは日本だけのようです。
国債は一度発行すると民間の資産となります。
したがって、他国では国債の償還期限がくると新たに国債を発行して借り換えをしている、と。
こちらが世界では普通であり、グローバル基準では「60年償還ルール」のようなものは存在しないといいます。
なんでも西洋の真似事が得意なのに何故「財政に関するルール」だけは独自を貫くのでしょうか?
これが1個目の謎です。
単年度の税収中立の原則
2個目の謎は「単年度の税収中立の原則」というものです。
税収を単年度で見て、どこかを減税するなら必ずどこかで増税して税収を単年度で中立にしてくださいという原則です。
なるほど。だから簡単には減税できない…
他国でも税収中立を目指すことはあっても、それは「長期的に目指す」のであって単年度ではないといいます。
景気を考慮しないプライマリーバランスの黒字化
グローバルなルールでは、景気が悪い時にプライマリーバランスが赤字になるのは当たり前なので仕方がないと考え、景気が良い時も赤字だと構造的な赤字体質ということなので増税や歳出削減をしないといけないと考えます。
一方、日本では景気のことは考えず、とにかく25年度までに黒字化を目指すという目標を持っています。
これまた日本独自の謎ルールです。(3個目の謎)
裁量的歳出にまでペイ・アズ・ユー・ゴーの原則
ペイ・アズ・ユー・ゴーの原則とは?
国家予算の策定などで、新規の支出や減税などを行う際に財源確保を義務づけ、収支のバランスを取ること。
しかし、国家予算の中でも、未来への投資としてフレキシブルに変える費用、具体的には教育や防衛、公共投資などの「裁量的歳出」にも、日本はこの「ペイ・アズ・ユー・ゴーの原則」を適用していますが、これをやっているのは日本だけです。
出典:PRESIDENT Online > 「日本の財政は年々悪化している」は事実ではない…国の借金と財政に関する「4つの謎ルール」の正体
この謎ルールは、民主党政権時代に初めて適用され、その後自民党政権に戻ってからもずっと継続されています。
そして、この謎ルールによって、『防衛費の増額は「裁量的歳出」なので、その財源を増税によってまかなう』ということになっています。。
これが4個目の謎です。
まとめ
以上のように、そもそも「ワニの口は存在しなかった」と考えるのが妥当なようです。
下図は歳出に債務償還費を計上しなかった場合のグラフですが、見事に「ワニの口」は閉じています。
今でも緊縮財政が主流派であることに変わりはありませんが、少しずつその嘘がバレ始めてきているのは確かなようです。
では、何故このような国民を貶める政策を継続しているのでしょうか。
この国が豊かになったら困ると思っている人達がいると考えるのが自然なんだと思います。
それが戦後レジームというものなのです。💦
もっと『闇の根っこにあるもの』を知りたい方はこちらもどうぞ。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。