インターネットへアクセス(ウェブ)するときに必須のもの。それは言うまでもなく「ブラウザ」です。
調べると意外にもたくさんあることがわかります。
ウェブブラウザ一覧
主要なウェブブラウザ
- Google Chrome: 高速で多機能、拡張機能が豊富
- Mozilla Firefox: オープンソース、プライバシー重視
- Microsoft Edge: Windowsデフォルト、Chromiumベースで高速
- Apple Safari: macOS、iOSで最適化、Appleデバイスとの統合
- Brave: 広告ブロック、トラッキング防止、プライバシー重視
- Vivaldi: 非常に高いカスタマイズ性
- Opera: 内蔵VPN、広告ブロッカー、独自機能
テキストベース/軽量
- Lynx: グラフィカルではなく、テキストのみ表示
- w3m: 軽量でテキストベースのブラウザ
- QuteBrowser: キーボード操作重視、軽量
スマートフォン向け
- Chrome (モバイル版): AndroidおよびiOS向けの標準ブラウザ
- Safari (モバイル版): iOSに標準搭載
- Brave (モバイル版): 広告ブロック、トラッキング防止
- UC Browser: 高速なページ読み込み、データ圧縮
- Kiwi Browser: Chromiumベース、拡張機能対応
プライバシー重視
- Tor Browser: 完全な匿名性を提供する
- Epic Browser: トラッキング防止、完全匿名
- Comodo Dragon: Chromiumベースでプライバシーを強化
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こんなに多いと悩みますよね (^^;
しかも、テキストベースのブラウザはさておき、ほとんどのブラウザは使い勝手がほぼ同じなので、こだわりなくプレインストール版を使っている方がほとんどではないでしょうか? でも、ブラウザの性質がわかると、きっと考え直すことになると思います (^^ゞ
本記事を読めば、何を基準にしてブラウザを選べば良いかがわかります。
オープンソース vs クローズドソース
先に結論です(^^;
種類 | 透明性 | プライバシーリスク |
オープンソース | 誰でもコードを確認できる | 不正なデータ収集の有無を検証可能 |
クローズドソース | ソースコードは非公開 | ユーザー情報を収集・送信していても外部からは検証が不可能 |
・オープンソースのブラウザは 第三者がコードを監査できる ため、不要なデータ収集やバックドアの有無を確認可能
・クローズドソースでは、企業が 利用者のデータをどのように処理しているか不透明 であり、意図的なトラッキングが組み込まれている可能性もある
ということは、冒頭に紹介したブラウザの中からオープンソースを選べば良いだけですね (^^;
オープンソースとは?
つまり、『透明性』が最も重要であると考えます。
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えっ、でもプライバシーだけではないですよね?
はい!そのとおりです。その他にも用途によっては、以下のような判断基準が考えられます。
用途 | 該当する「おすすめブラウザ」 |
パフォーマンス重視 | Brave, Microsoft Edge, Google Chrome |
拡張機能・カスタマイズ重視 | Firefox, Vivaldi, Brave |
安全性重視 | Brave, Tor Browser, Firefox |
互換性重視(対応サイトの多さ) | Google Chrome, Microsoft Edge, Safari |
開発者向け | Google Chrome, Firefox Developer Edition |
バッテリー効率重視 | Microsoft Edge, Safari |
各ブラウザの特徴を理解し、用途によって使い分ければいいかと思います。
例えば、確定申告(e-Tax)を行う場合は『互換性重視』で選択せざるを得ませんし、開発目的に使用するのであれば、必然的に『開発者向け』のブラウザを使用することになるでしょう。
何を優先するのか?によって決めればいいわけですが、本記事ではタイトルにもあるように『安全性重視』を最優先に「おすすめ」するものです。
では、「オープンソースをすすめる理由」について解説します。
透明性が重要
ウェブブラウザのソースコードが オープンソース(公開) か クローズドソース(非公開) かは、プライバシー保護の観点で大きな影響を与えます。以下はその理由です。
追跡(トラッキング)
種類 | 例(該当するブラウザ) | ユーザー追跡のリスク |
オープンソース | Firefox, Brave, Chromium | トラッキングをブロック可能 |
クローズドソース | Google Chrome, Microsoft Edge, Safari | 企業の収益モデルにデータ収集が含まれる場合がある |
- Google Chrome(クローズドソース)は、Googleアカウントと紐づいた「広告トラッキング」を行い、閲覧履歴を収集してターゲティング広告に利用
- Brave(オープンソース)は、デフォルトで トラッキングをブロックする
収益構造とプライバシー
種類 | 収益モデル | プライバシーへの影響 |
オープンソース | 寄付・スポンサー・有料版 | 利用者データを売る必要なし |
クローズドソース | 広告収益・データ販売 | 個人データを収益化する可能性あり |
- Google Chrome は無料だが、Googleの広告収益モデルに基づき、検索履歴や閲覧情報を広告ターゲティングに活用
- オープンソースは、寄付やスポンサー契約で収益を得ているため個人データを売る必要がない
外部拡張機能(アドオン)の管理
種類 | 拡張機能の自由度 | セキュリティリスク |
オープンソース | ユーザーがコードを検証しやすい | 不審な拡張機能を排除しやすい |
クローズドソース | 企業のストア管理下にある | 企業が不審な拡張機能を許可するリスクあり |
- Firefox(オープンソース)は、プライバシー強化の拡張機能(uBlock Origin, Privacy Badger) などを自由に利用可能
- Google Chrome(クローズドソース)は、拡張機能の管理をGoogleが行っているため、Googleの方針で機能を制限される可能性がある
強制的なデータ収集
種類 | データ収集のリスク | プライバシー制御 |
オープンソース | デフォルトでデータ収集が少ない | ユーザーが細かく設定可能 |
クローズドソース | 利用データを企業が収集 | 設定で制御しにくい場合がある |
- Google Chrome はデフォルトで 閲覧履歴、検索履歴、位置情報などを収集 し、Googleアカウントと紐づける
- Brave(オープンソース)は デフォルトでデータ収集をブロック し、プライバシー優先設計
まとめ
「オープンソース vs クローズドソース」についてまとめると以下のとおりです。
項目 | オープンソースブラウザ | クローズドソースブラウザ |
透明性 | 高い(コードを監査可能) | 低い(企業のブラックボックス) |
トラッキング | 低い(ブロック可能) | 高い(広告ビジネスモデル) |
収益モデル | 寄付・スポンサー | 広告・データ販売 |
拡張機能の自由度 | 高い(ユーザーが選択可能) | 企業の管理下にある |
データ収集の制御 | ユーザーがコントロール可能 | 企業が決定 |
見ての通り、『安全性重視』で選択すると「オープンソース」の圧勝です! 但し、クローズドソースブラウザでも、追加設定や拡張機能の導入を適切に行えばリスクを低く抑えることは可能であると認識しておきましょう。
以上より、おすすめするブラウザは『Firefox』と『Blave』です。
Mozilla Firefox:オープンソースの代表的なブラウザで、ソースコードは誰でも確認・変更・配布が可能です。Firefoxはプライバシー重視でコミュニティの貢献によって発展しています。
Brave:広告ブロックを標準搭載しており、利用者に広告閲覧の対価としてBAT(Basic Attention Token) という暗号資産を付与する仕組みを採用しています。
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Braveは、広告を閲覧することで対価(暗号資産)がもらえるというユニークな機能が特長ですが、これが、Web3ブラウザともいわれる所以です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!