X(旧Twitter)の代替候補のひとつとして注目されていた「Bluesky」は、登録時に既存ユーザーからの招待を必要とする状態が続いていましたが、2024年2月から一般開放され誰でも登録できるようになりました。
さっそく、サーバーを立ててみたバイ ^^;
こんどはBluesky?mastodonと何が違うの?
それぞれの特長を理解すればその理由がわかるバイ
この記事を読めば、同じ分散型SNSである「mastodon」との違いと「Bluesky」の始め方がわかります。
Blueskyとは?
はじめに「Bluesky」の概要です。
TwitterとBluesky
BlueskyはX(旧Twitter)と同じような、テキストメインのSNSであり、旧Twitterの共同創業者である「Jack Patrick Dorsey」が立ち上げた分散型SNSです。
旧Twitter在籍中に立ち上げたプロジェクトなのですが、在籍中「Twitter」について、以下のようにコメントしています。
「私の最大の後悔はツイッターが企業になったことだ」
また、このようにも言っています。
ソーシャルメディアのためのインターネットプロトコルについても言及し、「ソーシャルメディアは企業や政府に対して弾力性があること、コンテンツの削除は作成者のみ、モデレーションはアルゴリズムの選択で実装すべき」とし、この3つを満たすのが、無料でオープンなプロトコルである、としています。
出典:Twitterでできなかったオープンプロトコル
つまり、「mastodon」と同様、中央集権的に運営されることに対する「アンチテーゼ」でもあるのです。
ということは、思想は全く同じだよね。違いは何なの?
その件は後述しますが、その前にユーザーが最も気になる?機能面の違いにも少し触れておきます ^^;
X(フリープラン) | Bluesky | |
文字数 | 最大140文字 | 最大300文字 |
画像の点数 | 最大4枚まで | 最大4枚まで |
動画の点数 | 最大4枚まで | なし* |
DM | あり | なし* |
アカウントの公開設定 | 公開/非公開 選択可 | なし |
予約投稿機能 | あり(PCのみ) | なし |
広告 | あり | なし |
今のところ、Xに対する優位性は「最大文字数」と「広告表示」ぐらいですが、今後アップデートされる可能性は十分あるでしょうね。
*2024年5月に公開されたロードマップによると、DM機能と動画機能(最大90秒)が追加されるようです
カスタムフィードという機能
「Bluesky」の魅力は、feed(フィード)機能をカスタマイズできることです。
見た目は X(旧Twitter)のタイムラインとほぼ変わりませんが、そのアルゴリズムには大きな違いがあります。
X(旧Twitter)は、2023年3月にアルゴリズムを公開(上図)しました。しかし、おすすめタイムラインのアルゴリズムを知ることはできても、ユーザーがコントロールすることは出来ません。
現状では、マーケティング等の理由でアルゴリズムを理解しながら投稿している方も多いかと思います。
でも、それは健全な状態でしょうか?
管理者側が常に善意で行動してくれたら嬉しい限りですが、どこまであなたは管理者を信じることができますか? つまり、どうにでもリモートコントロール(誘導)することが可能な仕組みなのです。
それ、ヤバイね
Blueskyのfeed(フィード)機能はユーザーが定義することができます。
平たく言うと、『自分の好きなものだけを選んで表示させる』ということも可能ですし、表示させたくないキーワードを設定して除外することも可能になるわけです。
全ては、管理者側に委ねるのではなく個人側で管理できる。これがBlueskyが持つメリットです。
以下にカスタムフィードの楽しさを実感できる記事を紹介します。
こちらのページは、カスタムフィードのおすすめ一覧です。
Bluesky「AT Protocol」とMastodon「ActivityPub」の違い
前述した機能は、「AT Protocol」というBluesky独自のプロトコルで構成されています。
ということで、以下は「AT Protocol」という技術的観点からの考察になります。
「AT Protocol」と「ActivityPub」の違いについて、さっそくChatGPTで確認してみました。
- 目的と哲学
- AT Protocol: データプライバシーを重視した個人用ソーシャルメディアエコシステムを提供することを目指す。
- ActivityPub: 分散型ソーシャルメディアのインターオペラビリティ(相互運用性)を促進し、オープンで自由なWebの発展を支援する。
これらの要点をまとめると、AT Protocolは特定のプラットフォーム向けに開発されたプロトコルであり、データプライバシーに焦点を当てた個人用エコシステムを提供します。一方、ActivityPubは幅広い分散型ソーシャルメディアプラットフォームで使用されるオープンで相互運用性の高いプロトコルです。
出典:ChatGPT
「ActivityPub」が、相互運用性を促進していることは、採用するプラットフォームが以下のように多岐にわたるところからしても、噓ではないようです ^^; 『使えるぞ ChatGPT❣』
- Mastodon: Twitterのようなマイクロブログプラットフォームで、ActivityPubを採用しており、ユーザーはインスタンスと呼ばれるサーバーで独自のコミュニティを形成できます。
- PeerTube: 分散型のビデオホスティングプラットフォームであり、ActivityPubを介してユーザー間で動画を共有できます。
- Pleroma: Mastodonと同様にマイクロブログの機能を提供する分散型ソーシャルネットワークで、ActivityPubプロトコルを使用しています。
- Pixelfed: Instagramの代替として開発された分散型写真共有プラットフォームであり、ActivityPubをサポートしています。
- Misskey: マイクロブログやSNS機能を提供するプラットフォームで、ActivityPubに加えて独自のプロトコルも使用しています。
- GNU social: 古くから存在する分散型ソーシャルメディアプラットフォームで、ActivityPubもサポートしています。
対して、Blueskyプロジェクトは、「AT Protocol」の開発や啓発を目的に立ち上げられたものと言えそうです。
「AT Protocol」の可能性
「AT Protocol」が、データプライバシーを重視したものであることは前述したとおりですが、実はもっと重要なキーワードと繋がることがわかりましたので紹介します。
Web5の基盤技術としての役割
ブロックチェーンです!
『新しい資本主義』というものが、だいぶ見えてきた気がします! ^^;
Web3との違いはよくわかりませんが💦、次世代インターネットの基盤技術になることを目指していることは間違いないようです。
つまり、「AT Protocol」のための「Bluesky」であり、その世界観は壮大と言えます。
中央集権からの脱却という目的での思想は同じでも、そのビジョンは「ActivityPub」とは大分違う印象です。
いかがでしたか?ここまでは、Blueskyの魅力について説明しました。
少しでも魅力を感じた方は、早速使ってみましょう!
Blueskyの始め方
Blueskyは分散型であるため、ユーザー自身がサーバーを建てることも可能ですが、ここでは、『@ハンドル名.bsky.social』というアカウント名で登録することを前提に説明しています。
既存のサーバーに登録する
① アプリをダウンロードする
App Store、Google Play それぞれダウンロードします。
PC版ブラウザはこちら。
以降、PC版での説明です。
② 「新しいアカウントを作成」をタップ
③ あなたの情報を入力
・ホスティングプロバイダーの編集(〇)をクリック
・サービスを選択 →「Bluesky」を選択して「完了」をクリック
・メールアドレス、パスワード、生年月日を入力 →「次へ」をクリック
・「次へ」をクリックする前に「利用規約」と「プライバシーポリシー」には目を通しておきましょう。
・ユーザーハンドルの入力(IDに該当するものなので下段に表示されるフルハンドルはメモしておきましょう)
④ 初期設定(指示に従って進みましょう) ※初期設定は後で変更可能です
・ロボットでないことのチェック →興味あることを選択 →おすすめフォロー先の選択…
⑤ プロフィールの編集
・メニューにある「プロフィール」から編集しておきましょう。
以上でアカウント登録は完了です。
レイアウトは、X(旧Twitter)とほぼ変わらないので、使い方に迷うことはあまりないと思います。
補足:「メールアドレスの確認」は最初に済ませておくことをお勧めします。
・メニュー → 設定 → 「メールアドレスを確認」をクリック
・アカウント設定時に入力したメールアドレスへ確認メールを送信します。
・メールが届くので、認証コードをコピペします。
エラーにならなければ、メールアドレスは認証されました。
まとめ
Blueskyは分散型SNSの中のひとつにすぎませんが、「AT Protocol」という独自のプロトコルにより、次世代インターネットの基盤技術となる可能性があります。
魅力的な機能としては「カスタムフィード」があります。feedはユーザー間で共有することも可能です。
管理者に委ねるのではなく、ユーザー自身が情報を管理するという思想は分散型社会の根幹となるものですし、ブロックチェーンとの融合も具現化できるのではないでしょうか。
今回は触れませんでしたが、ハンドル・アップデート(Handle.Update)と呼ばれる機能も画期的です。自分が持っている独自ドメインをハンドルネームに設定できるので、成りすまし防止などのセキュリティ対策としても有効と思われます。
でも、なんだかんだ言っても、最大のメリットは、「自分専用のサーバーが建てられる」ということですね。
『鯖立て』については、あらためてレポートする予定です。ちなみに、下部にあるBlueskyフォローボタンから参照できるサーバーは、出来立てホヤホヤの『自社鯖』でございます!できれば覗いてみて下さい。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!