起業すると、各役所への届け出る書類がたくさんあり大変ですよね?
フリーランスや個人事業主などの場合、できるだけ本業に専念したいので、届出などの間接業務は極力簡素化したいものです。
e-Gov電子申請を活用すれば、役所に行かずに、書類に書かずに、役所で待たずに、届出書などを行政機関に提出できます。
実施例は、日本年金機構へ毎年7月上旬頃に提出する「被保険者報酬月額算定基礎届」を、電子申請(e-Gov)で提出する手順についてですが、他の申請・届出も書式が変わるだけで手順は同じです。
電子化しておくと、今期だけではなく、データ流用で来期以降も申請が楽になるので、是非活用するようにしましょう。
電子申請(e-Gov)のメリット
いつでも(時間にとらわれず、24時間届出できる)
どこでも(インターネット環境があれば、どこでも届出できる)
コスト削減(移動時間や待ち時間なし、郵便コストなし)
申請方法は2種類ある
直接入力方式
電子申請(e-Gov)のウェブページに申請情報を入力して一件ずつ申請を行う方法
CSVファイル添付方式
電子申請(e-Gov)のウェブページで申請を行う際に、届書作成プログラムを利用して作成した届書データ(CSVデータ)を添付ファイルとして設定し申請を行う方法
本記事では、複数人の対象者も一度に申請できる、「CSVファイル添付方式」を紹介します。
CSVファイル添付方式により申請できる届書
対象となる届書は、こちらです。
準備するもの
電子証明書、またはGビズIDアカウントが必要です。
GビズIDアカウントを使って、e-Govにログインする場合は、電子証明書は不要です。
本記事は、他のオンライン申請でも使うことが多い「電子証明書」による方法です。
届書作成プログラムのダウンロードとインストール
届書作成プログラムのダウンロードサイトは、こちら。(Ver27.00インストールファイル: KFdtdk2700.msi)
インストール手順書は、こちら。
CSVファイルの作成
起動
起動時にバージョンチェックが実行され、最新バージョンでなかった場合は、ダウンロードサイトから最新バージョンをダウンロードし、プログラムの再インストールを行います。
初期設定
初期インストール時に必ず必要になる設定です。
初期設定ウィザードが表示されます。なお、バージョンアップ時にはスキップされます。
管理情報設定
事業所情報設定
健康保険組合情報設定
厚生年金基金情報設定
上記4項目の設定時に必要になる書類・情報は以下のものです。
「適用通知書」または「納入告知書 納付書・領収証書」
健康保険組合・厚生年金基金に加入している場合は適用通知書などの情報
雇用保険適用事業所設置届事業主控
データ入力は、画面の誘導に従ってください。
被保険者情報の編集
基本的には操作の必要はありません。
届書データの入力
「最初から(赤)」をクリック
「算定基礎(赤)」をクリック選択して、「追加(青)」をクリック
「事業所整理記号(赤)」が表示されているかを確認する
表示されていない場合は選択して表示させる
「被保険者整理番号(青)または被保険者氏名を入力し、「呼び出し」をクリック
現在の標準報酬月額(茶)が表示されていることを確認
入力されていない項目「例:給与支給額(赤)」を入力し、「登録(青)」をクリック
追加で入力する項目は、今まで書類へ手入力で行っていた内容と同じです。
「登録」を実行すると、入力事項に不備がないかのチェックが行われますので、エラーが表示された場合は修正します。
電子申請用ファイルを指定
「登録」が正常終了すると、「届書一覧入力」画面が表示されますので、タブ「提出ファイル作成(S)」から、電子申請用ファイルを指定(赤)します。
保存場所を指定する画面が表示されるので、わかりやすい名称を付けて保存します。
補足:その他の届書を追加作成する場合や、編集したい場合は、この画面から行うことができます。
「届書チェック(青)」でエラーがないことを確認し、「保存終了(青)」で「届書データ」の入力は完了です。
保存場所を指定する画面が表示されるので、わかりやすい名称を付けて保存します。
電子申請用ファイルを作成
初期画面より、「電子申請用」をクリック
入力項目は全て自動入力されていますが、修正が必要であれば編集します。
被保険者報酬算定基礎届の提出先は、「年金事務所」です。間違いないかは、チェックしておきましょう。
特に問題なければ、「作成先フォルダ保存場所」を確認した上で、「OK」をクリック
電子申請用ファイルとして保存するので、そのまま「OK」をクリック
正常に処理されると、「CSV形式届書総括票」が画面表示されるので、「印刷」からPDFファイルに変換して保存しておきましょう。
ここまでが、中間ファイル(CSV形式)の作成フローでした。このあと「e-Gov」による電子申請を行います。
e-Gov による電子申請
本記事での実施例は、CSV形式による電子申請です。
e-Govで行うのは、「アカウントの作成」、「申請書の検索」、「申請書入力」、「申請データ(CSV形式)添付」、「提出先の選択」、「電子証明書による認証」、最後に「提出」です。
厚生労働省YouTubeチャンネル
アカウントの作成(2:15~ )
申請書の検索(4:15~ )
検索キーワード:「算定基礎届」でOKです。
手続き名称:健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届/70歳以上被用者算定基礎届(CSVファイル添付方式)
申請書入力(4:42~ )
申請データ(CSV形式)添付(5:05~ )
提出先の選択(5:15~ )
電子証明書による認証(5:25~ )
提出(5:38~ )
e-Govポータルサイト
下記サイトから行います。
まとめ
e-Govポータルサイトのマイページは、申請状況の確認やデータ流用には便利な機能です。
電子申請で提出する場合、電子証明書もしくはGビズIDによる認証が必要になるため、一見面倒ですが、コスト削減、ヒューマンエラー撲滅という観点からの効果は絶大です。
次回からの作業は、確実に楽になりますから、是非活用しましょう。
申請可能な届書等は、約270種類あるので、社会保険関係は、ほぼ網羅できていると思います。
課題をあげるとすれば、ワンフローになっていないことと、「認証が煩わしい」ことでしょうか、、
認証の問題は、いずれやってくる「Web3.0」の世界で解決してくれるはずです。Web3.0については、「DAOに備える」というテーマでも記事を書いていますので、興味ある方は見てみてください。↓