ビットコインの誕生は、分散型インターネット(Web3.0)が訪れるための序章にすぎません。
イーサリアムは、時価総額がビットコインに次ぐ第2位の仮想通貨ですが、Web3.0の世界にさらに近づくことになる画期的なものです。
イーサリアムは、どのように誕生し、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。
誕生
ヴィタリック・ブテリン氏によって、イーサリアムの構想について書かれた「Ethereum white paper」が始まりです。2013年のことなので、わずか9年前のことです。
共同創設者には、ポルカドット(DOT)の生みの親である、ギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏と、カルダノ(ADA)の生みの親である、チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏がいます。
後者二人は日本との関りが深いです。その話はまた別途^^;
スマートコントラクトとは?
スマートコントラクトと言えば、イーサリアムが最たるものです。
直訳すると、賢く(smart)契約する(contract)という意味ですが、イーサリアムの機能も、その意味そのままです。わかりやすく言ってしまうと、プログラム可能な仮想通貨とも言えるでしょう。
上の図のように、自動販売機をイメージすると解りやすいです。
事前定義
商品ごとの価格を事前に定義する。
イベントの発生
コインが投入され、かつ、商品選択のボタンが押されたことを検知する。
契約の執行
契約が執行され、商品(所有権)が購入者へ移転される。
メリットは?
イベントの発生から契約の執行までを自動化できること。
自動化できるため、大幅なコスト削減になりますね。待ち時間が短縮されることも大きい!
スマートコントラクトの実施例
先ほどの説明では自動販売機でしたが、スマートコントラクト機能を使えば、理論上いろんな用途へ応用することが可能になります。以下は、実在するサービスです。
DEX(分散型取引所)
仮想通貨のトレーダー間で、直接、取引を行います。銀行や証券会社などの仲介者が存在しません。
代表的なDEXとしては、ユニスワップやスシスワップなどがあります。
但し、DEXは中上級者向けなので注意しましょう。
慣れないうちから使用すると、資金を失う可能性もあるので、まだ止めておいたほうが無難です。^^;
DeFi(分散型金融)
DeFi(ディーファイ)とは、分散型や非中央集権型を意味する「Decentralized」と、金融を意味する「Finance」を組み合わせた「Decentralized Finance」の略語です。
DEXと同様、仲介者を介さず無人で金融取引を行う仕組みで、ブロックチェーン上に構築された分散型金融システムのことを指します。具体的なサービスとしては、下記があります。
レンディング
仮想通貨を、DeFiを提供する中央集権型取引所へ貸し出すことで、利息が得られるサービス。
イールドファーミング
仮想通貨を、DeFiを提供する分散型取引所(ユニスワップなど)へ貸し出すことで、利息が得られるサービス。
どちらとも、仮想通貨を取引所へ貸し出すことで、利息を得るというものですが、その相手が、中央集権型の取引所か、分散型の取引所かで、呼び方が違っています。
分散型の取引所へ貸し出すイールドファーミングは、管理者がいないDEXでのサービスです。
初心者にはハードルが高いので、DEXと同様、利用するのは、まだ止めておいたほうが無難です。
スマートコントラクトのユースケース
ステーブルコイン
ステーブルコインは価格変動がない仮想通貨のことです。ERC-20規格で作られたステーブルコインの代表格としては、テザー(USDT)が有名ですが、他にも、USDコイン(USDC)などがあります。
「ERC-20」とは、イーサリアムブロックチェーンと互換性を持つ仮想通貨を作るための規格です。
非代替性トークン(NFT)
非代替性トークン(NFT)とは、固有のアイテムの所有権を担保するものとして使われるトークンです。
2年ぐらい前から、世界を席巻し始めましたので、ご存知の方も多いかと思います。
今は、アート作品やゲーム用コンテンツ、音楽などが中心ですが、権利保護の観点から、いろんな方面への市場拡大が見込まれています。
不動産売買
不動産情報がブロックチェーン上で管理されるようになると、権利者がすぐにわかるようになるし、スマートコントラクトを活用すれば、売買契約書を作成する手間もなくなると言われています。
金融分野
証券取引やクレジットカード、クラウドファンディングなどの契約手続き
その他
業務委託契約などの法律関係
イーサリアムの課題と将来性
イーサリアム上で取引を行う場合、ガス代という手数料が発生します。
このガス代、マイニングと呼ばれる取引データを承認する作業を行うマイナーに分配されるのですが、ネットワークの込み具合により、ガス代が高騰する問題があります。NFTがブームとなった2022年の高騰ぶりは特に酷いものでした。
ガス代が高騰する原因は、イーサリアムのスケーラビリティが乏しいためで、これを改善するためのバージョンアップが、ロードマップとして公開されています。
先日、大型のバージョンアップである、イーサリアム2.0が実行されました。
このバージョンアップにより、スケーラビリティの改善と併せて、取引記録に関する合意形成として存在しているマイニング作業が不要になる、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)というアルゴリズムに変わりました。
併せて、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)を継続したETHWという新しい通貨も生まれています。
消費電力が激減するので、環境問題は改善しますね。
実は、これらの問題を改善すべく、新たな仮想通貨が日々誕生しており、今まで先行してきたイーサリアムと競争を繰り広げている状態が今なのです。
まとめ
イーサリアムはスマートコントラクト機能を実装した最初の仮想通貨です。
ブロックチェーンにスマートコントラクト機能が加わったことで、DApps(分散型アプリケーション)という新たな市場が生まれ、そのユースケースは多方面に渡ります。
イーサリアムのスケーラビリティ問題は、新たな競合コインを生む要因にもなっており、その動向には要注目です!
暗号資産(仮想通貨)に購入する場合は、国内の取引所に最低でもひとつは口座開設をしておく必要があります。個人的には将来性のある通貨を多く扱っているビットポイントがお勧めです。